ドイツのピアノ教育見聞録

ピアノのレッスンを通して覗いたドイツ事情と試行錯誤の日々の記録。

2018-01-01から1年間の記事一覧

クイーン

遅まきながら、「ボヘミアンラプソディー」を観た。フレディマーキュリーって今更だけどスゴイ。もう少し早くに薬が開発されていたら!私が初めてクイーンを認識したのは中学生の頃、3つ年上の姉が「クイーン」とか、「ボヘミアンラプソディー」とか言って…

仕事納め

発表会も無事終了した! 収容人数100名ほどのホールで、小一時間のプログラムだ。 ホールの壁には普段から、壁いっぱいの大きさの聖母子像画が掛かり、おまけに水色の棚にはKrippeキリスト降誕劇の場面を模した人形が待降節の期間中、特別展示されている。 …

ドイツ手作りライフ 其の三

クリスマス4週間前は、Advent待降節と呼ばれる。 ドイツでの師走にあたる時期だ。 クリスマスを迎える準備が始まり、とにかく全てが慌ただしい。 そんな中、ドイツ人は家庭でのお菓子作りに余念がない。 Plätzchen プレツヒェンと呼ばれる焼き菓子、簡単に…

古今クリスマスソング事情

EちゃんLちゃん姉妹が、お家にある古いドイツのクリスマスソングのピアノ曲集を持って来てくれた。 彼女らのお父さんが昔ピアノを習っていた当時の楽譜だ。 ドイツの出版社の楽譜で、ドイツのクリスマスソングとはっきりと表紙に書いてある。 では中を拝見し…

クリスマスパーティー

今日は音楽学校のクリスマスパーティーに参加した。こちらではクリスマスパーティーというのだが、賛美歌を歌うわけでもお祈りするわけでもなし、どう考えても忘年会という方がぴったりだ。パーティーは学校内の一室で行われ、参加は自由だ。グリューワイン…

コンサート 12月12日18:30

ピアノ連弾の演奏会が終わった。 私が住む市の「水曜日のクラシック」シリーズに、毎年恒例行事のように参加させてもらっている。 今年から半民営のような形態になったらしいけれど、今までと同様に毎週水曜日の夜6時半から1時間ほど、無料でクラシックのコ…

ニコラウス

毎日毎日ジングルベル漬け。しかも3通りのバリエーション。まだ3週間これが続くのか〜!ところで12月6日はニコラウスの日だ。ドイツでは、この日に聖ニコラウスが良い子のところにプレゼントを持ってくる。昨日Lちゃんが、「ブーツを綺麗にして寝なきゃ。」…

先生は訛ってます(笑)!

ギムナジウムでの新入五年生の授業を覗いてみよう。五年生は大体みんな緊張してやってくる。新しい学校生活、初めて習う教科に加えて、先生が東洋人!そりゃあ緊張するだろうよ。目に見えて外国人だもんね。最近でこそ外国人が田舎にも増えたとはいえ、十年…

発表会

クリスマス発表会の日程が決まり、会場の予約も取れた。音楽学校では、私は毎年一年に2回発表会を企画開催する。クリスマス直前と夏休み前だ。万霊節のお休みが終わった頃からクリスマスまでの6週間、低学年の生徒たちは毎年ひたすらクリスマスの歌を弾きた…

新五年生

ギムナジウムでは、最初の実技試験が終わった。新入五年生は、初めての実技試験で成績をもらったことになる。ところで、新入五年生は本当に楽器初心者なのだろうか?現実には様々なレベルの五年生がやって来る。既に何年間か楽器のレッスンを受けている子も…

締め切り直前

ドイツ青少年音楽コンクールJugend Musiziert 地区予選の締め切りが11月15日に迫ってきた。今日は今年度最初の音楽学校Musikschule のコンサートの日だ。クラシックのプログラムだけを集めた、毎年恒例のイベントだ。コンクール参加希望者は、このコンサート…

水晶の夜

今から80年前、1938年11月9日夜から10日未明にかけて、水晶の夜Kristallnacht と呼ばれる反ユダヤ主義暴動がドイツ各地で発生した。ユダヤ人居住区や商店、シナゴーグなどが破壊された時に飛び散ったガラスが水晶の様にきらめいたことからこの事件は水晶の夜…

スクールカラー

ギムナジウムで10年間ずっと一緒に働いてきたCさんに、お茶に呼ばれた。彼女は音楽科の教員であり、ピアノの教員を統括する立場にもいる人だ。ドイツのギムナジウムには入学定員数というものがない。わたしの住む街にはギムナジウムが5校ある。各ギムナジ…

カフェテリアで一休み

今日は大学に出勤だ。大学には万霊節のお休みがない。大学生4人のレッスンのため、早起きする。私が教えているのはLehramt教員養成課程音楽専攻の学生だ。皆将来小学校又は義務教育中学校の教員になることを希望している。ここの大学は小規模ながらもいろい…

秋の夜長

秋。食欲の秋。リンゴの皮はもう嫌というほど剥いた。だから芸術の秋。昨夜は同僚でコメディ女優Mさんの一人芝居を観に行ってきた。昨年だったか、私の演奏会でプーランク作曲ピアノ連弾とナレーターのための「仔象ババールのお話」を上演した時、ナレーター…

ご褒美

今日のレッスンは全て終了!来週1週間は万霊節のお休みだ!今日最後の生徒は、小学校2年生のMちゃんだ。今年度9月からピアノを始め、毎週のレッスンが楽しみで、金曜日の午後にお友達の誕生日パーティーに呼ばれても、「今日はピアノのレッスンだからダメ!…

8分音符♫の教え方

昨日は、EくんとMちゃん兄妹がレッスンにやって来た。彼らは1年間プライベートレッスンでピアノを習った後、今年度から音楽学校の私のクラスに来ることになった。余談だけれど、なぜ1年前から音楽学校に来なかったのか?理由は簡単、昨年度彼らが入学申し込…

音楽学校 vs 音楽系ギムナジウム

先日の演奏会にかまけている間に、大学の授業も始まってしまった。タイムリーにブログ更新しようと思っていたのに、なかなかうまくいかないみたい。プロのブロガーさんってすごいんだなと感心している。いや感心してる場合じゃないでしょ、と自分にツッコミ…

演奏会 „Verfolgte Musik“

本日午後3時から地元の博物館内にあるコンサート会場で、「Verfolgte Musik 」というテーマによる演奏会がありました。 出演者は同僚のチェリストと私。 Verfolgte Musik とは、直訳すると「迫害された音楽」。 ナチスが政権を握っていた当時、ユダヤ人であ…

音楽系ギムナジウム

音楽系ギムナジウムMusisches Gymnasium とは何か?「日本で言うところの音楽高校?」と聞かれたことがあるが、答えは否、全く別の代物である。ドイツでは、小学校4年生を修了した後、3種類の進路の中から自分の将来に見合った学校に進学する。ギムナジウ…

会議は踊らないけど

本日は会議の日。朝9時から、ピアノとキーボードを担当する教員による分科会。報告、連絡、相談。普段なかなか顔を合わせることのない先生も多いので、1年に数回行われる分科会は貴重な情報交換の場だ。新しい教材に関する情報もあり、ちょっとした研修の…

初めての教材

今年度の時間割が決まった!しかもまだ9月、新学期が始まってからたったの3週間!これは新記録かも。今年度はきっといいことあるに違いない!さて、今年度の私のクラスには、4人の初心者がいる。初心者にどの教材を使うのかは、ピアノ指導者にとっては非常に…

お国はどちら?

私はドイツに住んで、ドイツの学校及び大学で働いていると書いた。そして、ドイツ人の子供たちは、という表現をよく使う。しかし厳密に言うと、私が教えているのはドイツ人の生徒または学生だけではない。ざっと見渡したところ、大半はドイツ人だが、その他…

レッスンはいつから始めるべきか?

ドイツでは、子供が小学校に上がってから楽器の個人レッスンに通わせるのが一般的だ。なぜか?私の勝手な憶測だが、一年生になって初めて学校でアルファベットを習うからである。ドイツ語でドレミはCDE(ツェーデーエー)だ。ドレミファソラシ、即ちCDEFGAHの7…

クールジャパン

今年度より、ドイツ人大学生M君が私のところでレッスンを受けることになった。彼はもう何年もピアノを習っているので、かなり難易度の高い曲が弾ける。初めてのレッスンでは緊張した面持ちで、自分の好きな曲を演奏してくれた。なんと、久石譲作曲の「千と千…

所変われば

久々に再会した生徒達。Sちゃんは、一家4人で日本旅行を満喫してきた。私の出身地、某古都へも足を運んでいる。「楽しかった。日本が大好き!」と言ってくれると、本当に嬉しい。L君は、ドイツ生まれでドイツ育ちだが、彼のご両親は双方ともに、某国出身であ…

レッスン禁止?

新学年度早々に、校長から緊急連絡があった。ある生徒に対するレッスン禁止令だ。昨年度の授業料が滞納されているので、その生徒が来てもレッスンしてはいけないというお達しだ。私の勤めている音楽学校は市立である。ドイツ語では、städtische Musikschule …

ドイツ式職場での誕生日の祝い方

今日は同僚Aさんの誕生日だ。音楽学校の職員室の机の上には、Aさんからの手作りケーキが差し入れられていた。そう、ドイツでは、お誕生日を迎えた本人が、他の人たちを招待するのが一般的だ。日本とは正反対だ。職場にケーキの差し入れがあると、今日は誰か…

豊かな人生を送るために

ドイツの子供達は、学校の授業の後に、たくさんの習い事の予定がある。水泳、体操、テニス、サッカー、バレエ、乗馬、社交ダンス、アイススケートにアイスホッケーなどのスポーツと、楽器や合唱などの音楽のレッスンを1週間の予定に組み込むのが一般的だ。…

新年度スタート!

今日から新年度が始まった。私の住むバイエルン州では、新年度の始まりは、いつも火曜日と決まっている。日本のように全校集会のようなものはなく、学校に行って自分の名前が掲示されているクラスに行き、担任の先生から時間割をもらう。ほぼそれだけで今日…