ドイツのピアノ教育見聞録

ピアノのレッスンを通して覗いたドイツ事情と試行錯誤の日々の記録。

8分音符♫の教え方

昨日は、EくんとMちゃん兄妹がレッスンにやって来た。

彼らは1年間プライベートレッスンでピアノを習った後、今年度から音楽学校の私のクラスに来ることになった。

余談だけれど、なぜ1年前から音楽学校に来なかったのか?

理由は簡単、昨年度彼らが入学申し込みした時点では、どの先生のクラスも一杯で、空きがなかったのだ。

この兄妹、11歳と9歳なのだけれど、2人揃って音感がある。

ずっと憧れのピアノを習いたくて、ようやくお父さんお母さんの許可が出たらしい。

ドイツではよくあるパターンだ。

さて、初めてのレッスンの様子。

お兄さんの方が持ってきた教材はブルグミュラーのアラベスクで、夏休み前の発表会で弾いた曲だという。

じゃあ覚えてるかな、弾いてみて、と私が言ってもなかなか始まらない。

両手をどこに準備すればいいのかわからなかったのだ。

しかも8分音符と16分音符が支離滅裂。

はいはい、こう言う場合のお決まりの対処法。

まずは音符の長さとリズム打ちだ。

ああなるほど、こう言う基本的なことを何も習ってこなかったのね。

今更私は驚かない。

ドイツの田舎の方では、時々とんでもないレッスンをする先生が存在するようだ。

子供たちのせいではない。

しかし、最初にきちんと指導されていない生徒を修正して再び軌道に乗せていくのには、大変なエネルギーが必要だ。

子供たちは、今まで指摘されたり要求されたりしたことのない宿題が出されるので、呆然としている。

彼らは2週間連続で何も練習して来なかった。

私の血圧も上がったところで、保護者とコンタクトを取る。

さて、昨日は見事に練習してきた!

歌ってごらんと言うと、少なくとも素直に歌う子供達なので、こちらも待った甲斐があった。

妹の方も、8分音符は速く弾くのだと教わったと教えてくれた。

うん、そんなこと言う先生ってドイツに存在するのよね(笑)。

しかし、数えながら弾くととてもキレイだと気が付いた模様。

来週は1週間万霊節のお休みで、レッスンはない。

今日やったこと、忘れないでね。