ドイツのピアノ教育見聞録

ピアノのレッスンを通して覗いたドイツ事情と試行錯誤の日々の記録。

先生は訛ってます(笑)!

ギムナジウムでの新入五年生の授業を覗いてみよう。

五年生は大体みんな緊張してやってくる。

新しい学校生活、初めて習う教科に加えて、先生が東洋人!

そりゃあ緊張するだろうよ。

目に見えて外国人だもんね。

最近でこそ外国人が田舎にも増えたとはいえ、十年前に私が初めて田舎のギムナジウムに赴任した当時は、この子たちは東洋人を生まれて初めて見るんじゃないかと思ったっけ。

多分中華料理屋にも一度も行ったことないんだろうな。

何しろクラス全員が休み時間になったというのに私に視線が釘付けという出来事があったから。

私も自分のドイツ語が通じるか思いっきり緊張していたのを思い出す。

採用された時、校長先生のところで「バイエルン州の為に働きます」とかなんとか、そんな感じの宣誓式をしたものだから、尚更プレッシャー。

しかし習うより慣れろ、隣の部屋のロシア人の先生の訛りがすごくてレッスンで何言ってるのかよくわからないと言う生徒がいたから、私も気にせず頑張った(笑)。

これってしかし、凄い状況だな😆。

さて授業。

教師はまず、それぞれの生徒のレベルを把握し、適切な課題を各々の生徒に与えるところから始めていく。

既にレッスンを受けている生徒は当然それなりのレベルに見合った曲を課題として与えるのが定石だ。

全くの初心者には、まずは教材を購入してもらうことになる。

教材に関しては、学校指定のものが存在しない。

各先生がそれぞれのやり方で一番いいと思う教材を指定する。

この辺りの考え方が日本と違って非常に面白い。

先生個人の裁量に全て任されているけれど、目指すところは同じはず。

登山に例えると、受け持ちの先生の好みに合ったルートを辿って頂上を目指すようなものだ。

ギムナジウムでの初心者を対象にした教材について、私が見聞した範囲で紹介していきたい。