ドイツのピアノ教育見聞録

ピアノのレッスンを通して覗いたドイツ事情と試行錯誤の日々の記録。

初めての教材

今年度の時間割が決まった!

しかもまだ9月、新学期が始まってからたったの3週間!

これは新記録かも。

今年度はきっといいことあるに違いない!


さて、今年度の私のクラスには、4人の初心者がいる。

初心者にどの教材を使うのかは、ピアノ指導者にとっては非常に悩まされる問題だ。

私もありとあらゆる教材を試してきた。

今回は、ここ数年の間で私がかなり手応えを感じることのできた、お気に入りの教材を紹介しようと思う。

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Hal Leonard Klavierschule, Übungsbuch, Band 1 https://www.amazon.de/dp/904310504X/ref=cm_sw_r_sms_awd_xs_3UtSBb1YM1SQ9


https://store.shopping.yahoo.co.jp/gakufunets/167976.html


写真はドイツ語版だが、オリジナルは英語、日本でも日本語版が購入できるらしい。

これは、4〜7歳の幼稚園から小学校低学年の初心者には非常に理解しやすい内容と構成の教材だ。

ちなみに私は、ドイツでは子供が小学校入学してからピアノのレッスンを受けさせるのが一般的だと書いたけれど、勿論例外もある。

4歳でピアノを習い始める子供もいる。

ただそれは少数派だということだ。

では一般的な幼稚園児が全く音楽教育を受けないのかというとそうではない。

私の勤務する市立音楽学校städtische Musikschule には早期教育musikalische Früherziehung のクラスがある。

それは10人ほどのグループレッスンで、オルフのような楽器を皆で演奏したり歌ったりする。

もっと年齢が下がって2歳児クラスMusikgartenになると、親同伴でのグループレッスンを受けられるようだ。

どちらにしても、日本人の想像する早期教育とは少し違っていると私は思う。

さて話を戻そう。

この教材は、初心者が楽譜を読むのに必要な要素をリズムと音名に分け、まずはリズムをしっかり理解した後、音名の認識作業へと導入している。

ピアノの鍵盤のオリエンテーションも黒鍵からの導入で、真ん中のC(ド)にも固執しない。

また右手と左手の1の指をどこに準備するのかも、色々なバリエーションがあり、子供が柔軟に対応できる能力を高めていけるようになっている。

年齢の低い初心者向けの、私のお気に入りの教材だ。

私の経験上、大概の子供たちは問題なく楽譜を読めるようになる。

たまに不器用で手がなかなか動かないタイプの子って、やっぱりいるんだけどね…。