ドイツのピアノ教育見聞録

ピアノのレッスンを通して覗いたドイツ事情と試行錯誤の日々の記録。

最終調整

ドイツ青少年音楽コンクール地区予選まであと1週間となった。

音楽学校では、来週月曜日から金曜日までの連日18:30より練習発表会が企画されている。

音楽学校の生徒でコンクール参加者は、この練習発表会に何度でも申し込める。

最後の腕試しといったところだ。

ここまでくれば、練習するというよりも、いかに本番で緊張感と戦うかという、ほとんど精神鍛錬、メンタルトレーニングだ。

私も水曜日の夜に、普段のレッスンが終わった後、発表会場に駆けつけて、バイオリンソロ部門に参加するMちゃんの伴奏をすることになっている。

音楽学校のピアノの先生は、コンクールや試験を控えた生徒のための伴奏を引き受けるのも仕事のうちだ。

生徒の年齢層6歳から18歳くらいまでと幅広いので、伴奏の難易度も幅広い。

今日はMちゃんとの2回目のリハーサルを終えてきた。

彼女は12歳、少々引っ込み思案な性格だ。

初めてのリハーサルの時は緊張してカチカチになっていたが、今日は落ち着いて弓使いも滑らかに、あぁ、この子は伴奏をよく聞いて合わせてきているなと、いい手応えが感じられた。

バイオリンの先生曰く、彼女はとても良いものを持っているんだけれど、あまり厳しいレッスンをすると萎縮してしまうのだそう。

コンクールというのは非常に特殊な状況だ。

好き、楽しいだけではついていけない要素があることは言うまでもない。

しかし参加を決めた以上、自分にとっての最高の演奏をしてほしい。

自分で納得のいく練習を積み上げて初めて、演奏することを楽しめるのだから。