ドイツのピアノ教育見聞録

ピアノのレッスンを通して覗いたドイツ事情と試行錯誤の日々の記録。

ドイツ青少年音楽コンクールの意義 ー地区予選総括ー

今年の地区予選はあっという間に終わった。

Jちゃんは、三年前の地区予選での一位入賞者だ。

三年振りの再会で、随分と大きくなって、音楽学校で腕を磨く傍ら、音楽系ギムナジウムでもトップクラスの腕前だ。

彼女が州大会に参加する権利は残念ながら貰えなかった。

これには先生もびっくり、大方の予想が裏切られたわけだ。

今年の審査はかなり厳しいものだった。

さて、引っ込み思案なMちゃんの方は、家族みんな、おじいちゃんおばあちゃんも含めて大喜び大満足している。

州大会進出かな?というわけではない。

彼女の先生は、いつも引っ込み思案で自信がない彼女を激励しようと思い、コンクール参加を勧めたのだ。

結果は先生の目論見通り、審査員一同が、彼女が勇気を持ってコンクールという場で演奏し、自分の実力を出しきったことを褒めてくれたのだ。

彼女は小さいけれど素敵なプログラムを人前で弾ききった。

これは、彼女の大きな自信となったに違いない。

点数だけで比較すると、Jちゃんの方が、Mちゃんよりも高得点だ。

しかしドイツ青少年音楽コンクール地区予選においては、音楽だけが評価されるわけではない。

子供達の人格形成など様々な教育的要素が配慮され、コンクールを通して子供達の人間的成長を促そうという主旨が確認できるのだ。

さて、以前の記事で紹介した、伴奏者にドタキャンされて泣きついてきた私の昔の生徒Nは、見事州大会進出だ。

私も本番に、彼女の伴奏を任せたピアニストの為の譜めくりをしながら応援に駆けつけた。

州大会も、応援に行こうかな。