ドイツのピアノ教育見聞録

ピアノのレッスンを通して覗いたドイツ事情と試行錯誤の日々の記録。

JuMu Landes その四

ドイツ青少年音楽コンクール参加者の中から、その能力を認められた生徒は、バイエルン州青少年オーケストラへの参加を打診される。

審査員との個別面談で直接声を掛けられるのだ。

青少年オーケストラに参加している生徒同士が仲良くなって、コンクールでお互いの都合がつけば、それぞれの応援に駆けつける。

運動会のノリに似ているような気がする。

オーケストラに参加するか否かは本人の自由だが、参加を決めた生徒たちは当然向上心がある。

そしてかなりの割合で将来プロになるため音楽大学に進学することを希望している子が多い。

しかし、音楽はあくまで趣味だと割り切っている子もたくさん州予選に進出している。

将来プロを目指す生徒は一位をとって全国大会に出場したいので、州予選2位という結果だと、とても悔しい思いをする。

しかし、趣味で楽しくやりながらここまで来た子にとっては州予選2位はとても誇らしい立派な成績だ。

なぜなら、州予選では3位までに入賞できない参加者も決して少なからず存在するからだ。

音楽を通して青少年の育成に寄与することを目的とすると同時に、世界最高レベルと言われるドイツのオーケストラの将来を担う人材を育成するという、国を挙げての文化事業という機能を果たしているのがドイツ青少年音楽コンクールだ。